腎移植手術の方法や注意点

腎移植手術とは?

腎移植手術と病室

 

 

腎移植手術とはどんな手術でしょう?

 

腎臓に問題が発生し、腎機能が低下すると生活に大きな支障が生じることになります。そして、その症状が悪化すると腎機能がほとんど働かなくなり、腎不全になってしまいます。

 

腎不全になると症状の悪化を遅らせる目的の治療が行われるようになります。具体的に説明すると、腎不全の末期を迎えると透析療法をしなければなりませんが、食事療法や薬物療法などで透析療法への移行を遅らせる処置が取られるのです。

 

透析療法は、腎機能の低下により取り除けなくなった血液の老廃物や水分を人工的に除去する治療法です。

 

しかし、透析療法を行うには1週間に3回以上は病院へ行き、1度の治療で3〜5時間程度はかかりますので、とても大変なのです。しかも長年続けるのは心身ともに大きな負担になってしまいます。

 

そこで腎不全末期の患者さんが透析療法以外のやり方で治療する方法として腎移植手術が注目されています。

 

腎移植と聞くとハードルが高そうに感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、移植手術の中では広く行われていて、国内の臓器移植手術の件数ではトップを誇っています。人気が高い理由は移植後10年の生着率が60%以上であることがあげられます。生着率とは手術によって移植した腎臓が機能している割合のことですので、その技術はどんどん進歩していると言えるでしょう。

 

尚、腎移植を受けると健康な人とほぼ同じような生活を送ることができます。食事や水分の制限がなくなりますので、食べたい物を我慢する必要がなくなるのです。そして長期間の旅行へ行くことも可能になるのです。

 

また、透析療法では腎臓の機能のすべてを代行できるわけではありませんし、一週間に3度も病院へ行かなければなりませんので、腎移植を受けると多くのメリットがあるのです。

 

それだけではありません。腎移植手術が終わって3ヵ月後くらいには、合併症として出ていた「皮膚の黒ずみや痒み」「骨や関節の痛み」などの症状がなくなります。それに加えて、女性の方であれば、腎機能が働くことによって女性ホルモンの分泌や排卵などが回復して妊娠や出産もできるようになるのです。


手術の方法について

それでは実際に腎移植手術はどのように行われるのでしょう?

 

腎移植は腎臓を提供する人がいなければ手術ができません。このような移植手術では患者さんをレシピエントと呼び、提供者をドナーと言います。

 

腎移植手術の方法には、生体腎移植と献腎移植の2種類があります。

 

生体腎移植は健康な人から腎臓を提供してもらう方法です。腎臓提供者になれる条件は、移植後も正常な腎機能を維持して支障なく日常生活を送れることです。この条件に合致すれば70歳以上でもドナーになれます。ドナーになる人のほとんどが、親子や夫婦などの家族や血縁関係者です。

 

献腎移植は心肺停止や脳死されたドナーからの移植になります。この献移植をするには日本臓器移植ネットワークに登録しなければなりません。日本臓器移植ネットワークは登録されたレシピエントに対し、腎臓を提供するドナーの斡旋を行います。それによって手術が可能になるのです。

 

それでは登録への流れについてご説明します。まず、これまで治療を行っていた病院の医師から紹介状を書いてもらって、移植手術を行う病院で診察を受けます。そして、手術や術後の薬剤治療に耐える体力があるかどうか、血液型やその他の検査で手術を行っても問題がないか判断し、大丈夫であれば日本臓器移植ネットワークに登録します。

 

手術は適合するドナーが出るのを待って実施されますが、基本的には登録された順に行われます。

 

手術は下腹部を切開して、骨盤の中にスペースにドナーからの腎臓を埋め込みます。移植された腎臓の動脈、静脈は患者の血管と結合し、尿管は膀胱に繋がれます。元から存在した患者の腎臓は基本的に残しますが、何かしらの影響が残る場合は摘出します。手術時間は3〜5時間くらいですが、入院期間は1ヵ月半から2ヵ月くらいはかかります。

 

生体腎移植では手術後にすぐに排尿しますが、献腎移植の場合はなかなか排尿しませんので、透析で老廃物や水分を除去します。移植後は外部から移植された腎臓に対して拒絶反応を起こしますので、これを鎮静させるために免疫抑制薬を使用しています。

 

尚、生体腎移植のドナーになられる方も摘出手術が必要ですが、今はお腹を切開しないで内視鏡を使った方法で行われるケースが多いため安心して手術を受けられます。入院期間は1週間から10日くらいで、手術時間は3〜5時間程度です。

手術と術後の注意点

手術を受ける前と手術後における注意点についてご説明します。

 

まず、日本臓器移植ネットワークに登録して手術を受ける場合は、適合するドナーが現れて自分の順番が回ってきたら、すぐに病院へ行き手術を受けなければなりません。このケースでは、ほぼ連絡があった当日に手術が実施されます。

 

そのため会社などで重要な仕事を任されている場合は、常に誰かに引き継ぎができるように準備をしておく必要があります。また、いつ手術をするかわからない状況ですので、平常心で手術を受けられるように日頃から心の準備をしておくことが大切です。

 

次に手術後ですが、移植後に発生する拒絶反応を抑えるために投与する免疫抑制薬は、長期間継続して飲み続けなければなりません。

 

この免疫抑制薬はとても重要です。きちんと決められた通りに服用しなければなりません。風邪などの感染症にかからないように気を付けましょう。

 

職場や学校へ復帰する時期については医師と相談しながら決めてください。自分の判断で行ってはいけません。また、術後は激しい運動をしてはいけません。半年以上経過してから軽い運動を始めて、だんだん運動量を増やしていくようにしましょう。

 

また、手術後はこれまでの厳しい生活や食事の制限がなくなりますので暴飲暴食をしたり、生活習慣が乱れることがあります。そのため高血圧、肥満、糖尿病などの生活習慣病にかかったり、再び腎臓の病気になることも考えられます。

 

そのため日常生活には充分に注意してください。もう2度と重い病気にかからないように、苦しかった教訓を生かすようにしましょう。

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