腎臓病の悪化を防止する研究が行われている!

東北大学の研究グループがエリスロポエチン産出細胞に注目

腎臓病患者と医師と食事

 

 

腎臓病は完治するのが難しく、とても厄介な病気です。そのため普段から予防意識を高めて、生活習慣に気を配ることが大切です。

 

そんな中で近年は、病気の悪化を防止するための新しい発見などがあり、明るい兆しが見え始めてきました。早めに対処することによって進行を食い止めることができる可能性が出てきましたので、検査は積極的に受けることが重要です。

 

東北大学の山本雅之教授と相馬友和博士の研究グループが様々な研究や実験を行い、米国雑誌の「ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ソサィェティー・オブ・ネフロロジー」のオンライン版で症状の進行を止めることが可能であることを発表しました。

 

このグループが注目したのはエリスロポエチン(EPO)産生細胞です。この細胞は腎臓の尿細管間質に存在しEPOを造る重要な役目を担っています。

 

EPOとは赤血球の生成を促進して増加させるホルモンのことです。赤血球は酸素をヘモグロビンと結合して全身へ運んだり、二酸化炭素を肺で排出させる働きがありますので、私たちの体に欠かせない大切な役割を果たしています。

 

EPOは腎臓で作られていますが、慢性腎臓病になってコラーゲン性細胞外マトリックスなどが蓄積されて腎臓が線維化するとEPOを産出する能力が衰えてしまいます。線維化とは結合組織が異常繁殖して硬くなる現象を指します。

 

これによって腎性貧血を引き起こし、体内の酸素が不足することになります。その影響で「動悸・息切れ」「めまい」「疲れやすい」などの症状が出てくるのです。そして心臓に負担がかかり、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などが発生しやすくなるのです。

 

東北大学の研究グループはこれらの一連の現象の中で、エリスロポエチン産出細胞の変化に目を付けて研究を進めました。


本来持っている細胞の機能が回復する!

 

本来、エリスロポエチン産生細胞は私たちにとって有り難い働きをしてくれますが、腎臓病が発症すると「筋線維芽細胞」という悪性の細胞へと変化してしまいます。

 

この筋線維芽細胞は腎臓を線維化させ、EPOを生成する機能を失い、サイトカインを発生させることが解明されました。サイトカインとは免疫細胞から分泌されるタンパク質のことですが、この場合は炎症の病態形成に関わる炎症物質のサイトカインです。

 

つまり、腎臓病になるとエリスロポエチン産生細胞が悪者になり、赤血球不足による腎性貧血や炎症を引き起こしてしまうということです。

 

腎性貧血と診断される基準は年齢や性別で異なりますが、60歳未満であればヘモグロビン値が男性では13.5g/dL以下、女性では11.5g/dL以下と言われています。60歳から70歳未満であれば、男性では12.0g/dL以下、女性では10.5g/dL以下です。普段の生活の中で異常を感じたときは、医師の診断を受けるようにしましょう。

 

腎臓病は、状況次第では病気の進行を遅らせる処置を施すことしかできない場合もあります。そのため多くの人が頭を悩ませてきました。

 

そんな中で東北大学の研究グループは悪性に転換してしまったエリスロポエチン産生細胞が、元の良性に戻すことが可能であるか、マウスを使って実験を行いました。そして実験の中で、炎症に関するシグナルが影響を持っているかチェックするために抗炎症薬を試したところ、細胞に変化が現れて元の良性な状態に回復したそうです。

 

具体的には、細胞が本来持っているEPOを造る機能が回復して、腎臓の線維化や炎症などによる症状の悪化を食い止めることに成功したということです。

 

これらのことから腎臓の治療では、炎症を抑制してエリスロポエチン産生細胞を良性な状態に保つことが重要であることが明らかになりました。

 

この発見は今後の腎臓病治療に役立つ大きな発見であることは間違いありません。特に人工透析を受けなければならない患者さんを少しでも減らすことができれば、素晴らしいことだと思います。

腎臓病の悪化を防止する発見関連ページ

腎臓と妊娠・出産
腎臓に不安を抱えていたり、腎臓病を患っている方が妊娠や出産が可能であるかどうか、あるいは、どのような影響が出るかお伝えしています。何よりも不安を解消することが大切ですね。
透析療法とは?
腎不全を患い、症状が末期を迎える頃には透析療法の導入を検討しなければならない時期となります。こちらでは、そんな透析療法についての情報を詳細にお伝えしています。
腎臓の働き
人間の体に大切な腎臓の働きについてご説明しています。大きく分けると主に5つの機能がありますが、すべて私たちの健康に欠かせない重要な役割を果たしています。
腎臓病の予防!生活習慣
腎臓病を予防するためには、どのような点に注意したら良いでしょう?気を付けるべきポイントを具体的に説明しています。特に毎日の食生活が大きなカギを握っていますので、食事内容をしっかりとチェックするようにしましょう。
腎臓とむくみの関係
腎臓とむくみは密接な関係があります。それは腎臓が悪くなると手、足、顔などにむくみが見られるようになるからです。しかし、その原因は様々ですので、正しい知識を身に付けることが大切です。
腎移植手術の方法と注意点
腎移植手術がどのような治療であるか説明しています。また、この手術がどんな方法で行われ、どんな点に注意したら良いかについても詳しくご紹介しています。
腎臓病と栄養の補給
腎臓病になると、栄養の補給が難しくなることがあります。それは、それぞれの病状に合わせた食事療法による治療を行わなければならないからです。食事療法では特定の成分の摂取を制限されますので、それによって必要な栄養が不足することがあります。そのためサプリメントなどで補給することが大切です。

ホーム クレアギニンEX しじみにんにく極み タウリンサプリ ペポカボチャの種の効果 ノコギリヤシ