スイカは本当に腎臓にいいの?

スイカを食べる女性

 

 

腎臓に良い食べ物と言われているスイカですが、本当にいいのでしょうか?

 

スイカは、確かに腎臓に良い食べ物です!

 

ただし、万人に良いというわけではなく、その人の腎臓の健康状態によっては悪い食べ物になることもあります。

 

スイカにはカリウムという成分が含まれていますが、これが大きなカギを握っています。カリウムは体内の余分な塩分(ナトリウム)を水分と一緒に排出してくれます。そのため腎臓の働きをサポートしてくれますし、利尿作用もありますので、腎臓に良い成分なのです。

 

ところが、腎不全などの病気にかかって腎臓が本来の機能を充分に果たすことができなくなると、カリウムの排出に支障を来すことになります。その結果、カリウムが体内に溜め込まれてしまい、血液中のカリウム濃度が高くなり、場合によっては高カリウム血症という病気を発症する可能性があるのです。

 

高カリウム血症は悪化すると不整脈などの症状が現れたり、心停止などの危険性もありますので、とても怖い病気です。つまり、腎機能が衰えた状態ではカリウムを過剰摂取してはいけないのです。

 

そのため腎臓病になって病院で医師の診察を受けると、病状によってはカリウムの摂取量を制限されることもあります。

 

その際に医師の指示を守らなければ、どんどん病状が進行して生命が危険な状態になるのです。

 

これらの事実から、スイカは腎臓が健康な方にとっては良い食べ物ですが、腎臓に障害を抱えている方にとっては悪い食べ物になることがあるということです。


スイカに含まれているカリウムとは?

スイカと子供

 

 

私たちは夏になると気軽に食べているスイカですが、実は豊富な栄養成分が含まれている食材なのです。

 

水分が全体の89%を占め、甘くて美味しいスイカは、暑い時に喉を潤すためにデザートとして食べる方が多いと思います。そのため体に良いことを意識すれば、積極的に食べる方が増えることでしょう。

<スイカに含まれている主な成分>

カリウム、βカロテン(ビタミンA)、マグネシウム、カルシウム、タンパク質、鉄、ビタミンC、ビタミン群(B1、B2、B6)、ビタミンE、リコピン、シトルリン、グルタミン酸、アルギニン、ナイアシン、リン、システイン、イノシトール、マンノシダーゼ

そもそも、スイカが腎臓に良いと言われているのはカリウムが含まれているからです。そこで、カリウムについてご説明します。

 

カリウム

元素記号が「K」で表されるアルカリ金属元素の1つです。人間の体内には全部で120〜160gのカリウムがあります。その98%は細胞内、2%が細胞外にあり、細胞内で最も多いミネラルと言われています。

 

カリウムが多く含まれている食品はスイカ以外にもたくさんあります。パセリ、豆みそ、よもぎ、ホウレンソウ、アボガド、納豆、かつおぶし、煮干し、昆布、ワカメなどです。

 

尚、厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準では、1日のカリウムの目安量は成人男性が2,500mg、成人女性が2,000mgです。また、目標量は成人男性が3,000mg、成人女性が2,600mgです。

 

では、カリウムには具体的にどんな働きがあるのでしょう?

 

ナトリウムと共に血圧や細胞の浸透圧を調整する

これがカリウムが持つ最も重要な働きと言えるでしょう!細胞内液にあるカリウムは細胞外液(血漿・組織間液)にあるナトリウムと協力して、細胞内外の浸透圧、水分量、PH値(酸性・アルカリ性)などのバランスを適度に保っています。

 

浸透圧というのは水分を引きつける力のことです。水分の濃度が濃いほど浸透圧が高く、濃度が薄ければ浸透圧は低くなります。そして、浸透圧が低くて濃度が薄い液体は、浸透圧が高く濃度が濃い液体のほうへ移動して濃度を均一化しようとします。

 

人間の体内においては、細胞の内外を隔てて細胞膜が存在していますが、半透明なので水が自由に往来することができます。細胞膜にあるナトリウムカリウムポンプという機能が細胞内外のカリウムとナトリウムのバランスを適正に維持して浸透圧を調整しています。

 

そのため細胞内のカリウムの濃度が高くなると、それを薄めるために細胞外からポンプによって水が供給され、逆に細胞外のナトリウムの濃度が高くなると細胞内からポンプで水が供給されます。このようにしてナトリウムカリウムポンプが上手く機能しているのです。

 

もし、塩分を過剰摂取したりカリウムが不足すると、ナトリウムの濃度が高くなり、それを下げるために水分が増えて「むくみ」が発生することがありますので注意しましょう。

 

体内の余分な塩分を排出する

カリウムには体内の余分な塩分(ナトリウム)を汗や尿と一緒に体外へ排出するという重要な働きがあります。

 

塩分が増え過ぎると、ナトリウムの濃度を調整して浸透圧のバランスを保つために水を取り込むようになりますので、体内を循環する血液量が増えてしまいます。

 

その結果、血管が圧迫されて血圧を上昇させてしまい、この状態が長く続くと高血圧症を引き起こす可能性が高くなるのです。カリウムはナトリウムを排泄してくれますので、血圧を下げてくれますので、高血圧を防ぐ作用があります。

 

また、ナトリウム(塩分)は腎臓から排泄されますので、塩分を多く摂取すると腎臓はナトリウムを排出するために一生懸命に仕事をします。そのため腎臓に大きな負担がかかることになり、徐々に腎機能が衰えてきてしまいます。

 

通常、腎臓の糸球体で濾過されたナトリウムは尿細管で再吸収されますが、カリウムが再吸収を抑制して尿の中へ排出してくれますので、腎臓の負担を軽減してくれるのです。

 

このナトリウムを再吸収する働きは、ナトリウムと一緒に行動する水の再吸収を防ぐことにもなり、尿の量を増やすことになります。つまり、カリウムには利尿作用もあるのです。

 

筋肉の機能を正常に保つ

筋肉の収縮や弛緩はカリウムとナトリウムが電位変化を起こすことによって起こっています。その仕組みはアセチルコリンという神経伝達物質が筋肉細胞と神経終末球の間にあるシナプスに放出されます。

 

すると筋肉細胞がアセチルコリンを受け取りナトリウムとカリウムの間で電位変化が発生して、ナトリウムイオンチャネルという経路にナトリウムイオンが透過し、細胞膜に活動電位が生じて、筋肉が収縮するのです。

 

ナトリウムとカリウムのバランスを正常にキープすることによって筋肉の機能を正常に保つことに繋がります。そのためカリウム摂取は大切なのです。

 

期待できる効果・効能

高血圧予防、むくみの予防・改善、腎機能のサポート、利尿作用、筋肉の機能を正常に保つ

 

尚、シトルリンも腎臓に良い成分です。詳細につきましては、こちらをご参照ください → シトルリンにはどんな効果があるの?


腎臓に良いことは間違いありませんが、実は悪いケースも!

腎臓に不安を抱える老人とスイカ

 

 

スイカにはカリウムやシトルリンが含まれていますので、腎臓に良い食材です。これは間違いありません。

 

ただし、それは腎臓が正常に機能することが前提となります。腎臓に障害を持っている方にとっては悪い影響を与えるケースがありますので、ご注意ください。

 

なぜなら、腎臓病などで腎機能が低下すると、スイカに含まれているカリウムを充分に排泄することが難しくなることがあるからです。そうなると血液中のカリウムの濃度が高くなり、様々な不具合が発生します。

 

特に腎不全が進行して透析治療を受けている方がカリウムを過剰摂取すると非常に危険です。一般的に慢性腎臓病(CKD)の場合では、ステージ3以上(腎機能が正常時の60%未満)になるとカリウムの制限が必要になると言われています。

 

カリウム制限などを含めた食事ついては、医師の指示に従うことが重要です。医師が最も状況を正確に把握していますので、指定されたカリウムの摂取量は必ず守らなければなりません。

 

ところで、カリウムが充分に排泄されずに体内にたくさん残ってしまった場合には、高カリウム血症という病気を引き起こしてしまうことがあります。これは非常に怖い病気です。

 

<高カリウム血症>

血液中のカリウムの濃度が上昇した状態で、電解質代謝異常症と呼ばれる症状の1つです。医学的な見解では、カリウム濃度が5.5mEq/L(ミリ・エキュバレント・パー・リットル)以上になると、高カリウム血症と診断されます。尚、カリウムの正常値は3.5〜4.9Eq/Lです。

 

血中のカリウム濃度が極めて高くなり、病状が進行すると、様々な症状が見られるようになります。

 

吐き気、嘔吐、疲労や倦怠感を感じる、舌の異常感覚、しびれ、筋肉異常、下痢、知覚過敏などが発症し、血中のカリウム濃度が7〜8mEq/Lになると、不整脈、頻脈などになることもあります。不整脈、頻脈は重症になると心臓や肺が停止することもあります。

 

結論として、スイカは基本的に腎臓に良い食べ物ですが、腎臓が悪い人にとっては有害な物質になってしまうことがあるということになります。


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